17)定款作成

定款に記載しなければならない事項

 さて、この「定款」には一体どのようなことを記載すればよいのでしょうか。

 まず、絶対に記載しなければならない事項は、次のものです。

 

<絶対的記載事項>

 ・商号

 ・事業目的

 ・本店所在地

 ・資本金額

 ・発起人の氏名および住所

 (発起人とは会社設立に係る事務手続き等を行う人のことですが、実際には「資本金を出した人」でしょう。発起人と取締役は同じ人でも違う人でも問題ありません)

 

次に、定款で定めておかなければ効力が生じないものがあります。

<相対的記載事項>

 ・取締役、監査役の任期

 ・株式の譲渡制限

 ・会社の公告方法の定め など

 

 最後に、定款に記載してもしなくても、定款自体にもそれ自体にも効力に影響がないものがあります。

<任意的記載事項>

 ・営業年度

 ・役員の員数

 ・役員報酬 など

 これらは上記に述べたように、記載しても効力に何ら影響はありませんが、変更する場合には定款変更の手続きが必要となります。

 

 このように、定款を作成するにはいろいろな決まり事などがあり、手間もかかりますが、会社設立に必要な書類の中でも、最も大切な書類の1つですので、慎重に作成するようにしましょう。

【法人設立】定款の重要性とは?必要書類と手続きの全貌

文責:行政書士 森本

作成日:2025年07月08日

法人を設立する際に必ず作成しなければならないのが「定款(ていかん)」です。しかし、「定款って何?」「作成の仕方がわからない」という方も少なくありません。本記事では、定款の重要性や基本的な構成要素、作成・認証の流れ、法人設立に必要な書類や手続きについて、分かりやすく解説します。

 

そもそも「定款」とは何か?

定款とは、会社の目的や組織、運営に関する基本的なルールを定めた書類で、いわば「会社の憲法」とも言える存在です。株式会社や合同会社など、法人を設立するには必ず定款を作成する必要があります。

定款には以下のような役割があります。

設立の根拠:定款がなければ会社は設立できません。

組織運営の基準:役員の選任方法や決算期など、会社運営における基本ルールを定めます。

トラブル防止:経営上のトラブルを未然に防ぐ法的効力を持ちます。

定款の構成要素

定款には、大きく分けて「絶対的記載事項」「相対的記載事項」「任意的記載事項」の3種類があります。

 

1. 絶対的記載事項(必ず記載しなければならない内容)

会社の目的:会社が行う事業内容

商号:会社の名称(○○株式会社など)

本店の所在地:主たる事業所の住所

設立に際して出資される財産の価額またはその最低額

発起人の氏名または名称および住所

この5点は法律上、必ず記載しなければならないとされています。

 

2. 相対的記載事項(記載すれば法的効力を持つ内容)

例えば、株式の譲渡制限や取締役の任期などが含まれます。会社の運営方針に応じて必要に応じて定めます。

 

3. 任意的記載事項(自由に定めることができる内容)

決算期、役員報酬の決定方法、公告方法など。会社独自の運営ルールを反映できます。

 

定款作成から法人設立までの流れ

定款の作成は法人設立の最初のステップです。株式会社設立を例に、定款作成から法人登記までの一般的な流れを見てみましょう。

 

1. 定款の作成

まずは、Wordなどで定款を作成します。会社の基本事項を記載するため、内容に不備があると法務局で登記が受理されない可能性があります。行政書士や司法書士に依頼することもできます。

 

2. 公証役場で定款認証(株式会社の場合)

株式会社の場合、作成した定款を公証役場で認証を受けなければなりません。公証人の確認を経て、「認証済み定款」が交付されます。これには手数料として以下が必要です:

公証人手数料:50,000円

定款に貼付する収入印紙:40,000円(紙定款の場合)

なお、電子定款を利用すれば印紙代40,000円を節約できます。

※合同会社では定款の認証は不要です。

 

3. 資本金の払込み

定款認証後、発起人名義の銀行口座に資本金を入金します。入金後、通帳のコピーや払込証明書を準備します。

 

4. 登記書類の作成と提出

登記に必要な書類を整えて、法務局に申請します。主な書類は以下の通りです:

認証済み定款

設立登記申請書

発起人の決定書

役員の就任承諾書・印鑑証明書

資本金の払込証明書

印鑑届出書

提出後、約1週間で法人登記が完了し、会社が正式に成立します。

電子定款と紙定款の違いとは?

定款は「紙」で提出する方法と「電子定款」として作成・提出する方法があります。

項目紙定款電子定款

認証手続き公証役場に紙の原本を持参オンラインで認証申請

印紙代40,000円必要不要(0円)

作成環境WordなどでOK専用ソフト・電子証明書が必要

コストを抑えたい方や、設立手続きに慣れている専門家に依頼する場合は、電子定款の活用がおすすめです。

定款作成時の注意点

1. 目的の記載は具体的に

「飲食業」「アプリ開発」など、具体的かつ事業実態に即した内容で記載しましょう。曖昧な目的は登記で認められない場合があります。

 

2. 将来の事業も見据える

将来的に行う可能性のある事業も記載しておくと、目的変更の手間が省けます。

 

3. 目的と許認可の整合性

許認可が必要な業種(例:古物商、建設業など)は、定款にその旨を明記しておく必要があります。

 

定款は変更できるのか?

定款は設立後でも「株主総会の特別決議」により変更可能です。ただし、変更のたびに法務局への登記申請が必要な場合があります(例えば、本店移転、目的変更など)。費用と手間がかかるため、設立時点で可能な限り将来を見据えた内容を盛り込むことが重要です。

 

専門家に依頼するメリット

定款の作成や登記手続きは、行政書士・司法書士・税理士などの専門家に依頼することも可能です。特に次のような方にはおすすめです。

 

・初めて会社を設立する

・電子定款で印紙代を節約したい

・許認可を取得する予定がある

・手続きでミスをしたくない

・プロに任せることで、手間やリスクを大幅に軽減できます。

 

まとめ

定款は法人設立の要ともいえる存在です。会社の基本ルールを定めるだけでなく、将来の経営にも影響を及ぼす重要な書類です。定款作成から登記までの流れを理解し、必要書類や手続きのポイントを押さえることで、スムーズな会社設立が可能になります。

法人設立に不安がある方は、ぜひ行政書士や税理士などの専門家にご相談ください。万全の体制で、理想のスタートを切りましょう。

 

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